象鯨美術学院の成り立ち

〜大手予備校からの独立〜  象鯨代表/彫刻家 西村浩幸


私は、大手予備校で20年間指導して来ました。
他の象鯨講師達も全員大手予備校で育ち、講師をして来た者たちです。

我々は理想を追求し、その結果相当数が東京芸大に合格しました。大手予備校の懐の深い教育現場で贅沢をさせて頂けたおかげで、他に例のない独自路線の指導方針を実践して来れました。しかし近年、かつては難関校であった多摩美やムサビにも、美大受験者数が激減したことによって、大半の学生が合格する事ができるようになりました。

容易に沢山合格するということは、ほんとうは大学入学までに備えておくべき芸術・美術の基礎を研鑽する機会を失い、未熟なままで大学に入学してしまうと言う、皮肉な問題を現在の美術予備校や美術大学が抱えてしまいます。

象鯨は、そんな受験現状の中でも、かつてのように「志」を持ち、切磋琢磨する環境を持ち続けたいと考えました。 そこで長年お世話になった大手予備校から講師全員で独立し、ここ日吉の小さなアトリエで、更なる理想を追求する事となったわけです。

最初の学生はもう40歳になりました。1000人以上の学生を見てきました。デザイナー、絵描き、彫刻家、修復家、建築家、又海外に居住する者も少なくありません。 様々な学生と関わる事で、僕自身も変わりました。イラストレーター、ファッション関係の演出・企画、家具作り等を経て現在は彫刻に専念しています。

気が付くと教え子に仕事を貰ったり、仕事の架け橋をしたりと美術界の協力体制が出来あがり、2007年に「象鯨会」と言うOB会を発足させました。現在約160名。
分野は様々ですが、受験生時代に一貫した「志」を持ち大学や社会に出てからも周りとは一線を画す、優秀で面白い人材揃いです。 これらの背景を基に3種類の事業を設立しました。

受験期にしっかり人材を育て、プロとしてしっかりはばたいて行く。又草の根な作業ではありますが、子供からお年寄りまで広く美意識を高めて行き、何時の日か美しい日本になればと思い一般講座を設けました。この「受験期の養成」「プロの仕事」「社会貢献」を3本柱に象鯨が発足しました。